排水に含まれる栄養分を一定量保持 兵庫、「綺麗すぎる海」から転換

兵庫県は、魚介の栄養素となる窒素などの「栄養塩」を県内の瀬戸内海で回復させるための条例改正案に、「豊かで美しい瀬戸内海」の再生に努めることを、県民や事業者の責務として盛り込む方針を決めた。県によると、法令で、海の再生を住民らの責務と定めるのは全国初。条例改正案は、工場や生活排水に含まれる窒素などを減らし過ぎず一定に保ち、“きれい過ぎる”海から豊かな海への大転換を図る内容となるため、県民にも広く理解と協力を求める形だ。

 県は、条例改正案を24日開会の定例県議会に提出する。

かつて瀬戸内海では、家庭や工場の排水などで窒素やリンが過剰となり、プランクトンが大量発生する赤潮が頻発。国や県が法令で排水規制を強化し、水質は大きく改善した。その半面、魚介の栄養源となる栄養塩が過度に減り、ノリの色落ちやイカナゴなどの漁獲減を招いているとされる。

条例改正案では、人と自然の調和、景観や生態系が維持された瀬戸内海の再生に向けた理念を明示。県が再生への施策を進めるとともに、工場や農林漁業者、住民も理念を深く理解し、事業や生活、地域活動を通じて「豊かで美しい瀬戸内海の再生に努めなければならない」と定める。

また海中の栄養不足対策について「(窒素やリンの)望ましい栄養塩類の濃度を定め、保持されるよう努める」と規定。海域での実態調査や研究を重ねることも盛り込む。

窒素やリンの具体的な濃度については、条例と別に、県が今秋にも下限基準となる「水質目標値」として、「海水1リットル中に窒素0・2ミリグラム以上、リン0・02ミリグラム以上」と告示する方針。

濃度の上限は、水質悪化を防ぐために環境基本法が定める「環境基準値」があるが、下限を設けるのは全国初。県は国が定める上限と、独自に決めた下限の間で適切な水質管理を続けていく。

※写真はイメージ

【引用サイト】イカナゴ回復へ、きれい過ぎる海からの大転換は「住民の責務」 全国初、兵庫県が条例明記へ


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THINK WASTE 編集部

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