産学公連携のバイオエタノール実証プラントが完成

日立造船(本社:大阪市住之江区、谷所敬社長)は、京都市、熊本大学と連携し、京都市西京区にバイオエタノール製造実証プラントを建設し、実証実験を開始した。
日立造船では、「都市油田」発掘プロジェクトとして、「紙ごみ」と「生ごみ」からバイオエタノールとメタンガスを作り出す製造設備の開発を行ってきた。同プロジェクトは、「廃棄物からのバイオマスの回収とエタノール変換技術の開発」を目的に、平成23 年度および平成24年度の環境省の環境研究総合推進費補助金事業に採択され、京都市、熊本大学、と産学公連携により進められている。
さらに、「都市域廃棄物からのバイオマス二段階原燃料化システム実証研究」として、平成25 年度および平成26年度の環境省のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業にも採択されており、実機の建設を見越したプロセスの開発および実証プラントを建設し、効率的にバイオエタノールを製造する運転条件のデータ収集を実証試験で行う。
同実証プラントは、京都市内の家庭等から回収する一般廃棄物中の紙ごみや生ごみ等のバイオマスから化石燃料の代替となるバイオエタノールを製造し、さらに、発酵残渣からメタンガスを製造することで、バイオマスが保有するエネルギーを最大限に回収することを可能にする。また、この技術では、蒸留やメタン醗酵のプロセスにおいて熱源を必要とするが、ごみ焼却発電施設における未利用の低温排熱を活用することを想定し、エネルギーの有効活用を図る。
日立造船では、中期経営計画「Hitz Vision Ⅱ」の中で「環境・グリーンエネルギー」を事業ドメインの1つに掲げており、ごみ焼却発電およびバイオマス関連の技術開発を積極的に進めている。