
日本製紙と三菱商事 石巻で石炭・バイオマス混焼発電事業に着手

日本製紙(本社:東京都千代田区、馬城文雄社長)と三菱商事(本社:東京都千代田区、小林 健社長)は、宮城県石巻市で石炭・バイオマス混焼火力発電設備を建設・運営する発電事業会社「日本製紙石巻エネルギーセンター株式会社(仮称)」の設立を合意した。
新会社は、日本製紙石巻工場が保有する雲雀野(ひばりの)用地内に発電設備を設置する。出資比率は、日本製紙70%、三菱商事30%。発電設備の運転および保守は日本製紙が受託し、電力はPPS(特定規模電気事業者)に販売。事業開始は2018年3月を予定。
宮城県石巻市は東日本大震災で津波により大きな被害を受け、日本製紙の洋紙事業の中核を担う石巻工場も操業全停止を余儀なくされたが、設備の復旧を進め、震災から約1年半後の2012年8月末に完全復興を果たした。
日本製紙はグローバルな総合バイオマス企業として現在事業構造転換に取り組んでいる。紙だけでなく、成長が見込める分野でのビジネス展開を進める中、工場の立地優位性と長年培ってきた発電設備の操業技術、国内外での燃料および木質バイオマスの調達優位性を活用し、エネルギー事業の拡大に力を入れる。石巻工場では、洋紙事業以外にリサイクル事業も手掛けており、今回、発電事業を興すことで電力の安定供給に貢献するとともに、東北近隣の林業振興、地域社会の発展に寄与していく方針。
また、三菱商事は東日本大震災以降、公益財団法人三菱商事復興支援財団を通じ、被災地域の復興を継続支援している。今回の発電事業も、これまでの事業で培ったノウハウを活かし、環境と地域社会に配慮しながら長期安定的な事業運営を進めることで、地域の産業振興、雇用創出・維持に貢献することが目的だ。