プラスチック新技術続々1 〜新素材編〜

世界的なプラスチック規制を背景に、プラスチックに係る新技術が国内外で続々と誕生している。最新の技術をいくつかここにまとめた。

【新素材】

◆株式会社明康(宮崎) ホタテ貝殻からプラスチック◆
宮城県塩釜市の株式会社明康が開発したホタテ貝殻を原料としたバイオマスプラスチックは、州を中心に導入が目標とされている有機資源50%を達成した、世界でも珍しいバイオマスプラスチックの新素材だ。

開発した近江社長がホタテ貝殻に注目したのは2010年ごろ。青森県津軽半島で一時保管場所に大量に廃棄されたホタテ貝殻をみて、「このままではいけない」と奮起した。貝殻を一日でも早く処理したいと、貝殻成分を半分以上含むバイオマスプラスチックの開発に挑んだ。

近江社長は試行錯誤するうち、樹脂の一種のポリプロピレンと、ホタテ貝殻を51%以上の含有率で混錬する特殊な技術を発見。まずは割り箸を製品化した。割り箸を作ろうと考えたのはその安全性に疑問を持っていたからだ。国内に流通する割り箸は多くが中国産で流通経路も不透明。漂白剤やかび防止剤が残留する可能性も指摘されている。長期保存でき、ささくれもできず、綺麗に直角に割れる「ほたて割り箸」に自信があった。

ホタテ貝殻の廃棄は、青森や北海道で頭を抱えている自治体が少なくない。今後の普及が期待される。

◆GSアライアンス株式会社(兵庫) セルロースナノファイバーと廃プラスチックを複合化◆
GSアライアンス株式会社は、次世代の天然素材として期待されるセルロースナノファイバーと廃プラスチック由来の再生プラスチックペレットを複合化して機械的強度などの特性を向上させることに成功した。

セルロースナノファイバーは植物由来であることから環境負荷が小さくリサイクル性に優れた材料であり、かつ地球上にあるほとんどの木質バイオマス資源を原料にできるので資源的にも非常に豊富な材料である。鋼鉄の5分の1の軽さでありながら、5倍以上の強度を有するアスペクト比の高い幅4〜20nmのナノ繊維で、熱膨張係数はガラス繊維並みに小さく、弾性率はガラス繊維より高く硬くて丈夫という優れた特性を有している。

今回、パレットやおむつの産業廃棄物プラスチックなどから作った再生プラスチックペレットにセルロースナノファイバーを複合化させ、引張強度などの機械的特性を向上させることに成功した。

これにより、現在までは廃プラスチックとなっていた材料にセルロースナノファイバーを複合化することにより最先端材料に生まれかわらせ、機械的強度などが劣化していた材料を再び強度を復活させたプラスチックとして使用することが可能になり、リサイクルも促進されることが期待される。

※写真はイメージ

宮城の会社 ホタテ貝殻の割り箸で「世界のプラ代替へ」
木や植物などから作ったセルロースナノファイバーと廃プラスチックを複合化し最先端材料へ生まれ変わらせることに成功


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THINK WASTE 編集部

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