バイオエタノールを一気通貫生産できる酵母を発見

龍谷大学の島純教授、京都大学の谷村あゆみ研究員、小川順教授らは、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業において新しい酵母株を見いだし、食品廃棄物などに多量に含まれるデンプンから、多糖分解酵素などを使用しない一気通貫プロセスによりバイオエタノールを生産できる可能性を明らかにした。

従来、デンプンなどの多糖類からバイオエタノール生産を行う場合には、アミラーゼなどの多糖分解酵素で処理した後、酵母株Saccaromyces cerevisiaeによりバイオエタノールを生産するのが一般的だ。多糖分解酵素処理は、高コストの要因となり得ることから、多糖分解処理を必要としない一気通貫プロセスの開発が望まれていた。遺伝子組み換え株を用いる技術は開発されていたが、遺伝子組み換え株を用いた場合には物理的な封じ込めが必要になるため生産プロセスが煩雑になるという問題があった。

同研究グループは、酵母の自然分離株を対象にして、デンプンからのバイオエタノールの一気通貫生産能を持つ探索研究を行い、京都大学構内の土壌より単離したScheffer somyces shehataeJCM18690株を用いることで、デンプンからバイオエタノールを一貫生産できる可能性を示した。さらに同株は、植物バイオマスに含まれるキシロースの発酵性や高温耐性も持っていることから、食品廃棄物も含めたさまざまなバイオマス資源からのエタノール生産に適していると考えられる。

JCM18690株を用いることにより、従来の酵素の添加を必要とするプロセスや、遺伝子組み換え株を用いたプロセスに比べ、酵素のコスト削減だけでなく、生産プロセスの簡易化も期待できる。今回の研究結果は、低コスト・バイオエタノールの実用化につながる重要な成果と言える。

デンプンからのバイオエタノール生産の概略
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THINK WASTE 編集部

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