市川環境 ベトナムでエコタウン構想

 廃棄物リサイクルなどを手掛ける市川環境エンジニアリング(IKE、千葉県市川市)が、ベトナムで家庭や商業施設から出る都市ごみ(一般廃棄物相当)や産業廃棄物などを総合的に処理するミニエコタウンの建設に乗り出した。同社はベトナムで既に廃プラスチックなどを原料とした固形燃料(RPF)を製造・販売しており、これまでの実績を生かして新規事業を立ち上げる方針だ。

 IKEが構想しているエコタウンは、「都市ごみ、産業廃棄物の分別や焼却」「産業排水の処理」「医療系廃棄物の処理」「廃油のリサイクル」「RPF製造などの廃プラスチックリサイクル」などを一つの施設で行う廃棄物処理コンプレックスになるという。コンプレックス建設には10ヘクタールほどの土地が必要となる見込みで、ベトナムでは難しい土地使用権の取得について、北部の複数の省と交渉に臨んでおり、取得できれば段階的に建設を進める。初期投資として10億円規模を見込む。

 ベトナムの都市ごみは大半が埋立処分となり、全国的に焼却処理が進んでいない。例えばハノイ市の都市ごみは1日7,000トン以上が排出されているとされ、市は総合計画で焼却率の向上を掲げているが、焼却場の建設は進まず大半を埋立処分している現状である。

 一方で、廃棄物処理施設が各省市から受け取る都市ごみの処理費が安く、収益性が乏しいため、民間企業が参入しづらいという背景もある。ホーチミン市でごみ処理を手掛ける4企業の1トン当たりの処理費は、36万ドン(16米ドル、約1,725円)~44万8,000ドン。市との交渉で年々引き上げているが、依然として低い水準にある。

 IKEがコンプレックスを設けるのも、都市ごみの安い処理費をカバーするためだ。IKEの執行役員ベトナム事業推進チームリーダーの加賀山保一氏は、「各省とも廃棄物処理について本当に頭を悩ませ、埋め立ても待ったなしの状況だが、われわれも利益は度外視できない。ただ、国内総生産(GDP)成長率が毎年6%程度で推移する中で、今後も処理費が上がらないのは考えにくい」と話し、相互利益があるビジネスモデルを構築させたい考えだ。向こう2~3年で1件を着工し、5年以内にベトナム事業を10億円規模へ拡大させる計画を進める。

 DECOSの事業にはソリューション事業もあり、工業団地や商業施設で廃棄物の分別・処理や廃棄物管理業務などの支援も行なっている。例えば「イオンモール・ロンビエン」にはDECOSの社員が24時間体制で常駐してテナントの廃棄物を10品目ほどに分別している。ベトナムの当局は抜き打ちで環境検査に入ることもあり、日系企業を中心に廃棄物処理管理のサポートやコンサルタントもしている。そして、IKEはDECOSを通じて、環境総合コンサルタントの環境管理センター(東京都八王子市)と環境調査や分析、コンサルティングを手掛ける新会社を4月にも設立する方針である。政府は環境に影響を及ぼす可能性のある企業の監視を強化する方針を打ち出そうとしていて、環境調査の重要性は増している。

 加賀山氏は「企業の環境対策は進んでいくだろう」とした一方、「日本の廃棄物処理技術が通用し、かつニーズもある。ベトナムのごみ問題は待ったなしのため、鉄道のように廃棄物処理も社会インフラ輸出としての事業化が促進されることが期待される」と話している。

写真は「市川環境エンジニアリングがベトナム北部フンイエン省に設立した合弁会社のRPF製造工場(出展:市川環境エンジニアリング)」

【参照サイト】https://www.nna.jp/news/result/1725701#%E3%81%94%E3%81%BF


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THINK WASTE 編集部

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