ブロックチェーンは世界のごみ問題を解決できるか

 「ビットコイン」という言葉が様々な記事の見出しを賑わせているが、その注目は仮想通貨を支える根幹のシステムである「ブロックチェーン」へとシフトしつつある。ブロックチェーンとはいわばデータを永久的に保管可能な仮想台帳である。そしてそれは非常に信頼性と透明性に長けた技術なのである。

 ブロックチェーンは、国家的な管理システムから、街のカフェの決済アプリまで、多様に応用が可能である。そしてその応用範囲は、世界のごみ問題にまで進出し始めている。それは非常に刺激的で、興味深い取り組みであることは間違いない。

 中国の廃棄物輸入規制などの影響もあり、技術の進歩とは裏腹に、世界中でごみが溢れ、それが海へと流れ出し、社会問題となっている。ブロックチェーンは、こういった課題解決の糸口となり得るだろうか?

 ブロックチェーンは、政府や銀行、センターといった中央機関を持つことなく、取引履歴を正確に残すことができる洗練されたシステムである。資産の売買やその他の価値の移動の取引が記録されたブロックがいくつも連なっているのがブロックチェーンの体系であり、そしてそれらは暗号化され、複雑なセキュリティがかけられているため、書き換えることが不可能である。

 様々なごみの課題が、このテクノロジーと親和性があるように思える。その一例が、途上国でのプラスチックごみの削減を目指すカナダのベンチャー企業、Plastic Bankである。これまでに、ハイチ、ペルー、コロンビア、フィリピンなどで活動をしている。彼らは、リサイクルセンターにプラスチックごみを持ってきてくれた人々に、ブロックチェーン技術で管理されたトークンを発行している。このトークンで、食料を購入したり、電話代を支払ったりすることができる。一方で、集まったプラスチックは企業に購入され、新たな製品として生まれ変わる。このプロジェクトに多くの企業が参加しているのは、ブロックチェーンにより透明性が担保されており、彼らの投資がどこへ行ったのかをトレースできるからである。

 もう一つのブロックチェーン技術を活用した革新的な取り組みが、フランスの鉄道で行われている。駅構内のごみの管理は慣習的に混沌としており、最大6つの業者が果てしないごみの分別をしていた。リヨンの中央駅では、年間360トンのごみが発生していた。

 リヨン中央駅で新たに導入されたシステムは、ブロックチェーン技術を活用し、ごみの収集に必要な細かな情報発信を可能にしている。駅構内にはbluetoothを搭載した分別ごみ箱が設置され、定期的にごみの種類別の量がアップデートされることで、収集業者はどのように動いて回収すべきかを判断することができる。そして駅の管理人は、どのごみ箱にどの業者がいつ回収を済ませたかを見ることが可能になる。これにより、ごみの分別・収集効率が最適化され、ごみの管理業務が大幅に改善された。試験段階で、月2,000€の経費削減に成功した。

 世界中で散見されるごみ問題に向けて、我々は常識の枠を越えて解決策を打たなければならないのかもしれない。ブロックチェーンは、少しずつではあるがすでに廃棄物分野でも実用化されており、まだまだポテンシャルも潜在している、注目の技術である。

※写真は参照サイトより引用

【参照サイト】https://theconversation.com/a-rubbish-idea-how-blockchains-could-tackle-the-worlds-waste-problem-94457


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THINK WASTE 編集部

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