プラスチック新技術続々2 〜リサイクル技術編〜

世界的なプラスチック規制を背景に、プラスチックに係る新技術が国内外で続々と誕生している。最新のリサイクル技術をいくつかここにまとめた。

◆龍谷大学 廃プラを炭素化し再利用◆
廃棄プラスチックを炭素化し、エアコンのフィルターや壁紙へ応用することに成功したと、龍谷大と炭素素材製品の研究開発を行う大木工藝(大津市)が発表した。

ペットボトルのみから活性炭を作り出す技術はすでに実用化されているが、今回はペットボトルだけでなくプラスチックや樹脂も含む廃プラから炭や活性炭を作り出し、再利用する手法を確立した。

プラスチックは炭素や水素、添加物でできているが、水蒸気を当てることで炭素以外の物質を除去する。こうして作られた活性炭を消臭剤や融雪材の製造に使用できるようになった。

また、壁紙や保冷車に使われる同社の節電シートにこの活性炭を活用することで、熱伝導効率の向上やコストダウンにも成功。冷暖房効果を最大限に生かし、環境負荷を低減するシートの性能をより高めることにつながった。

◆コカコーラ 高品質再生PET製造のイオニカ・テクノロジーズに融資◆
ザ コカ・コーラ カンパニーは本日、イオニカ・テクノロジーズ(オランダ)との間で、リサイクルが難しいPET廃棄物から高品質再生PET素材を創り出すイオニアの独自技術の開発促進を目的に融資を実施することで合意したと発表した。

イオニカは、カラーボトルなどのリサイクルが難しいPET樹脂を含む廃棄物を精製されたポリマー材料に変えることができる独自のリサイクル技術を開発。この材料は、質の高いPETに再成形することが可能。この技術は、バリューチェーンのパートナーとの間で実証規模で検証されており、現在、オランダで処理能力1万トンの工場が2019年の稼働を目指して建設中だ。

この投資は、原材料の50%以上がリサイクル素材の容器を2030年までに開発することなど、廃棄物ゼロ社会(World Without Waste)の実現を目指すザ コカ・コーラ カンパニーのグローバルなビジョンに沿ったもので、コカコーラは今後もビジョンの実現のため投資を積極的に継続する姿勢だ。

◆三菱商事 英国の炭素繊維再資源化事業へ参画◆
三菱商事株式会社(以下、当社)はドイツ ELG Haniel GmbH 社(イーエルジー・ハニエル社、以下 ELG)から、炭素繊維の再資源化事業会社である ELG Carbon Fibre Ltd.社(イーエルジー・カーボン・ファイバー社、以下 ECF)の株式の 25%を取得し、事業参画に合意した。

炭素繊維は日系メーカーが約 7 割の製品供給を担う本邦を代表する先端素材であり、鉄の 4 分の1の重量ながら、強度は 10 倍以上を有する素材として、高強度且つ軽量な素材を必要とする航空機、風力発電等の産業で活用されている。

ECF は炭素繊維強化プラスチック(以下 CFRP)の端材等を再資源化する独⾃の技術とノウハウを有している英国の製造販売会社。世界で初めて商業生産ベースで二次加工(リサイクル)炭素繊維の安定生産を実現し、⾃動車産業や電子材料産業向け等に供給している。ECF はこれまで最終処分が困難であった CFRP の端材等を再資源化することで、サステナブルな素材の提供に貢献すると共に、生産コスト低減を実現し、競争力ある素材を安定的に市場に提供することを実現している。

ECFは、ボーイング社とも共同で、ボーイング飛行機製造工場から出る廃棄素材をノートパソコンのケースや車パーツなどにリサイクルする方針を発表している。

※写真はイメージ

廃プラを炭素化し再利用 龍谷大と企業が新技術
ザ コカ・コーラ カンパニーがリサイクルの難しいプラスチック廃棄物の高品質食品グレードPETへの再生を目的にイオニカ・テクノロジーズと融資契約を締結
三菱商事、英国における炭素繊維再資源化事業への参画
ボーイングのリサイクル計画。飛行機の廃棄素材をノートパソコンや車パーツに再生へ


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THINK WASTE 編集部

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