中国規制で行き場を失う廃プラ 日米欧で自国処理限界に

2017年末の中国の資源物輸入規制の後、代替の受け皿となっていた東南アジアも次々と規制強化に動き、先進国のプラスチックごみが行き場を失っている。

年900万トンを排出する日本の輸出は150万~160万トンで推移してきたが、中国の禁輸以降は100万トンに減少した。この1年間で新たに約50万トン分が国内にとどまった計算になる。

「ごみの受け入れ要請は例年の3倍ほどに増えた」。焼却施設大手の東京臨海リサイクルパワー(東京・江東)の影山嘉宏社長は明かす。すでに設備余力がなく、受け入れを制限している。廃プラの中間処理業者もごみを抱えきれず「首都圏から北海道や九州の焼却施設に運ぶ業者もある」。

事情は米欧も同じだ。廃プラ輸出拠点であるロサンゼルス近郊のロングビーチ港は、輸出量が3年前に比べ6分の1に激減。カリフォルニア州の再生工場で増産投資の動きはあるものの、採算割れによるリサイクル施設閉鎖や回収サービスの停止が広がる。輸出が回収量の6割に達していた英国でも処理能力不足に危機感が高まっている。

国内にたまり続ける廃プラは排出事業者のコストとして跳ね返る。国内のリサイクル体制は弱体化の懸念が強まっている。
首都圏をカバーする産業廃棄物業者は、事業者から委託費を得て廃プラを仕入れ、洗浄や破砕など中間処理を施してから焼却施設や再生工場に送る。問題視しているのは焼却施設に支払う委託費だ。

この業者の取締役によると、中国が廃プラ輸入を禁じる前は1キログラムあたり25円前後だったが、いまは一部で40円程度に跳ね上がった。「50円を要求する施設もある。受け皿が見つからない産廃業者の足元を見た便乗値上げではないか」と疑っている。

一方で、干あがった中国のリサイクル業者は日本に進出しはじめている。目的は廃プラを細かく砕いた「ペレット」と呼ばれるプラスチック原料の生産。中国はこの原料の輸入をいまも認めているからだ。ただ、日本の人件費や輸送費を含めると中国での現地生産より割高になるため、ある産廃業者の幹部は「廃プラの受け皿として広がるかは疑問だ」と語る。

その場しのぎで輸出先を規制が緩い国に変えるだけでは問題は解決しない。公益財団法人・地球環境戦略研究機関の森田宜典客員研究員は「廃プラの品質や流通経路を管理する世界共通のルールを日本が主導して作るべきだ」と説く。

国内と国外を問わず、各国が協調して廃プラのリサイクルネットワークをつくり直す必要性が一段と増している。

※写真はイメージ

【引用サイト】さまよう廃プラ 輸出阻まれた日米欧、自国処理限界に


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THINK WASTE 編集部

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