廃棄物ビジネスのアクセラレータプログラムが盛ん IBMやAEPWなど

欧米では廃棄物から新たなビジネスモデルを生むハッカソンやアクセラレータが盛んである。

IBMは7~8月にかけて、米国の開発者を対象に、オープンソーステクノロジーを用いて食品廃棄を削減するためのソリューションを生み出すよう呼びかけるハッカソンイベント「Food Waste Developer Challenge」を開催した。8月に終了したこのイベントの受賞者が米国時間10月3日に発表された。

IBMはAngelHackをパートナーとして今回のイベントを開催した。このイベントは、廃棄物の削減を念頭に置いた食品の販売方法などを追求する、より透明でリアルタイムな供給網の監視を実現するうえで開発者がいかに支援できるかを競うものだ。開発者らはイベントで、IBMのコードパターンとデータセットを活用し、食料品店や食品の供給網における廃棄物を大幅に削減するための新たなソリューションを生み出すよう求められた。「IBM Watson Visual Recognition」や「IBM Blockchain」、チャットボットのAPIなどのツールがそのまま利用できるように用意されていた。

 そしてIBMは今回、100を上回った参加チームのなかからFreShipというグループを受賞者として発表した。

 FreShipは、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせ、食品廃棄を最小限に抑えるという目的に向け、常時監視を実現するとともに、ある場所で廃棄される食品を別の場所で再販できるようにするスマートEコマースプラットフォームを構築している。食品輸送容器に「Narrow Band IoT」(NB-IoT)技術と「Arduino」システムを利用することで、輸送中における食品の鮮度を監視できるようにしている。また、ブロックチェーンを用いた、スマートビッディングによるコントラクトにも対応している。

 IBMによると「『IBM Watson』の機械学習(ML)技術を活用することで、FreShipは食品の鮮度をその写真から分析し、廃棄以外に考えられる選択肢を提供する。例えば、スーパーマーケットがバナナを注文したものの、輸送時の遅れで販売できないくらい熟成が進んでしまった場合、FreShipを用いることで廃棄処分ではなく、そういったバナナを利用できる業者に輸送を振り替えられるようになる」という。

 その結果、スーパーマーケットの損失を最小化すると同時に、食品廃棄物を削減する。

また、大手化学メーカーらが募って組成したNPOのAlliance to End Plastic Waste(プラスチックごみを無くすための協定, AEPW)は、プラスチックの削減に貢献するテクノロジーを対象としたアクセラレータプログラムを開始した。

プログラムを取りまとめるのは世界中で工業に特化したアクセラレータプログラムを展開するPlug and Playで、今回はAEPWと共同でプラスチックの環境負荷を削減するプログラムをシリコンバレー、パリ、シンガポールの三箇所で行う。

AEPWの役割は、NPOメンバーである大手プラスチックメーカーによる支援だ。メンバーは、BASF社, Berry Global社, ブラスケム社, フィリップス・ケミカル社, ダウ社, ExxonMobil社, Formosa Plastics社, Gemini社, Geocycle社, Grupo Phoenix社, Henkel社, LyondellBasell社, 三菱ケミカル社, 三井ケミカル社, ペプシコ社, PolyOne社, Pregis社, P&G社, Sealed Air社, Shell社, Sinopec社, SKC社, Storopack社, SUEZ社, 住友ケミカル社, トムラ社, Total社だ。

プログラムは12週間行われ、10のスタートアップが採用される予定。APEWから投資を受けられる機会もある。

ファーストプログラムの申請はもう始まっており、2020年の2月〜3月にプログラムが開催される予定。

※写真はイメージ

【引用サイト】
Plug and Play launches an accelerator to develop technologies addressing plastic waste
IBMの技術で食品廃棄削減のソリューションを生み出すハッカソン、受賞者発表


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THINK WASTE 編集部

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