東南アジアのごみ問題に注目が集まるなか、2019年11月にはインドネシアにおけるごみ問題の悪化と食品汚染の現状を分析したレポート「Plastic Waste Poisons Indonesia’s Food Chain」が発表され、一層多くの関心が寄せられている。

同レポートによると、中国のごみ輸入禁止によって、インドネシアのプラスチックごみ輸入量は2018年に前年比2倍増となる32万トンに拡大。

インドネシアへのごみ輸出国トップ5は、オーストラリア、ドイツ、マーシャル諸島、オランダ、米国。インドネシアは国内のごみ処理ですでに手一杯になっているが、それに追い打ちをかけている状況という。

インドネシアにプラスチックごみが持ち込まれる理由の1つは規制がないこと。世界銀行の調査によると、インドネシアでは廃棄物処理に関する法規制は実質存在しておらず、リサイクルのほとんどをインフォーマルセクターが負担しているという。フォーマルセクターによるリサイクルは、排出されるごみ全体の5%未満にとどまる。

ごみを適切に処理する法規制と施設が足りておらず、ごみの多くはインフォーマルな形で埋め立て処理されるか焼却処理されているのが現状となっている。

しかし、埋め立て処理場からごみが河川に流出、海に流れ出し海洋汚染につながっているほか、焼却処理によって発生した有毒ガスが地元の環境や食品を汚染するといった問題を引き起こしている。

同レポートがフォーカスしているのは、この環境・食品の汚染問題だ。東ジャワ州のTropodoという村で調査を行ったところ、卵から欧州の食品安全基準の70倍高い濃度のダイオキシンが検出されたという。

その要因として疑われるのが東ジャワ州で操業する紙リサイクル業者に供給されている輸入廃棄紙だ。紙のみをリサイクルする場合、問題はないが、紙の中にプラスチックが混入するケースが増加し、リサイクル過程で有毒ガスが発生し、地元環境を汚染しているというのだ。

かつて廃棄紙に混入するプラスチックの量は2~10%ほどだったのが、最近では60~70%に増加。

同レポートは、プラスチック廃棄を隠すために、廃棄紙が使われている可能性を指摘。このような廃棄物を輸出している主な国として、オーストラリア、カナダ、アイルランド、イタリア、ニュージーランド、英国、米国を名指ししている。

インドネシアでは「世界のごみ捨て場にされている」との危機感が高まり、国内では輸入規制を強化する動きが強まっている。

【引用サイト】

プラスチックごみを巡る貿易戦争勃発か? 中国のごみ輸入禁止とその世界的影響

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THINK WASTE 編集部

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