新興国インドネシアのプラスチック問題への挑戦

新興国の廃棄物問題について、インドネシアのプラスチック問題に焦点を当てて解説してみる。インドネシアでは深刻化するプラスチック廃棄の課題を抱えている。こうした点を踏まえ、官民・非営利団体(NPAP)が2020年4月22日にインドネシアのプラスチック汚染の徹底的な削減−マルチステークホルダー行動計画を発表した。この計画は、包括的なプラスチック汚染対策を目的とする行動計画である。
インドネシアでは段階的にその対策を進めていく。具体的には海洋流出するプラスチックを2025年までに70%減少させるリニア型アプローチと、2040年までにプラスチックの環境への流出をほぼゼロにするサーキュラー型アプローチである。こうしたステップを通して、プラスチック分野でのサーキュラーエコノミーへの移行を目指す。このようなインドネシアの挑戦について、なぜこうした取り組みを行うことになったのかということや行動計画の短・長期的目標とは何か、そして、サーキュラーエコノミーという点からの3つのポイントについてお示しする。

・深刻化する環境問題
インドネシアでは特にプラスチック汚染問題が高く注目されており、増加するプラスチックごみの海洋流出が深刻な環境破壊をもたらしている。チタルム川などのプラスチックごみ問題は記憶に残っているのではないだろうか。2017年は680万トン、2025年には870万トンに増加すると予想されている。不適切な廃プラスチック処理が生態系や公衆衛生、健康などに深刻な影響をもたらすことが懸念されており、対策が急がれている。このようなプラスチック問題の原因として、処理施設が発展しておらず投資もされていないことや課題未解決の使い捨てプラスチックの過剰多用、プラスチック類の低い市場価値が挙げられている。

・行動計画の目標
プラスチック汚染の徹底的な削減−マルチステークホルダー行動計画には、2025年までの主な5つの目標(リニア型アプローチ)と2025年から2040年までの目標(サーキュラー型アプローチ)が位置付けられている。
リニア型アプローチの5目標は、プラスチック消費の削減または代替製品の活用・プラスチック製品&包装の再設計・廃プラスチック回収率39%を2025年には80%・リサイクル施設倍増・廃棄物処理施設新設または拡充である。そして、サーキュラー型アプローチでは、削減と代替製品・プラスチック製品と容器再設計・プラスチック回収網を全国へ拡大・2040年までにプラスチックリサイクル率を4倍・廃棄物処理施設の増設である。

・サーキュラーエコノミーという点からの3ポイント
サーキュラーエコノミーという視点から見たときの3つのポイントの一つ目が廃棄物ヒエラルキー、そして二つ目が設計の重要性、三つ目が先進国との協働である。インドネシアの廃棄物ヒエラルキーはほとんど機能しておらず、これらを適切に機能させる必要がある。また、廃棄物を出さないように設計することの重要性もポイントだ。廃棄物処理先進国と協力して問題解決にあたり、協働の先進事例を作っていくことも大切だ。

深刻化する新興国の廃棄物問題に対して、インドネシアの取り組みが先進事例となることが期待されている。プラスチック分野でリニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ転換がどう図られるのか注目しよう。

【引用元】
https://cehub.jp/insight/indonesia-plastic-circular-economy/


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THINK WASTE 編集部

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