より持続可能なケミカルリサイクルの新しい方法

 ドイツのコンスタンツ大学によって、ポリエチレンに似ているプラスチックにおけるより持続可能なケミカルリサイクルの方法が開発された。出発原料の約96%を回収でき、既存の手法に比べてエネルギー効率が高い方法で、2021年2月の「Nature」に掲載された。

 幅広い用途で使用されているプラスチックだが、使用済みのプラスチックの洗浄や高温下での除染などの物理的処理を経て再生するメカニカルリサイクル(物理的再生方)では、限定された材料でしか再利用できず、汚れていたり添加物が混合されているため材料の特性を損なってしまい低品質な材料となってしまう。

 ケミカルリサイクル(科学的再生法)では、分子レベルの構成要素まで分解するため代替手段とされてきた。しかし、最も多く使用されるポリエチレンのポリマー鎖は非常に安定しているため低分子に戻すことが難しい上、600℃を超える温度が必要となりエネルギーを多く消費する。さらに収率が悪いとされ、場合によっては出発原料の10%未満となってしまう。
それに対して今回開発された手法では、分子レベルでの「破壊点」を用いてポリエチレン鎖を分解する。低密度の鎖内官能基をポリエチレン鎖の破壊点とし、リサイクルの際に結晶構造は損なわずに可溶媒分解によってポリエチレンをリサイクルできる。高密度ポリエチレンのような価値のある材料特性は完全に保持され、一般的な射出成形や3Dプリントなどの加工か可能だ。この手法では極度に高い温度を必要としないため、従来の方法よりもエネルギー効率が高く、出発原料の約96%の収率だそうだ。


【引用元】
*本記事に掲載している写真と本文は関係がありません

この記事を書いた人

THINK WASTE 編集部

こんにちは、THINK WASTE編集部です。ご覧いただき誠に有難うございます。国内外のリサイクルの取組事例や再生可能エネルギー技術、資源循環型社会構想など、先進的な廃棄物利活用に関する情報をお届けいたします。