ヨーロッパのエネルギー業界、水素事業へ大規模資本投下

英国石油化学大手INEOS(以下イネオス)が、年内にもロンドン証券取引所に上場する予定の投資ファンド、Hydrogenone Capital Growth(以下Hydrogenone)に対し、少なくとも2500万ポンド(約40億円)を投資することに合意した。現在世界第3位の規模を誇る化学メーカー・イネオスにとって、今回の投資は水素事業参入の足掛かりとなる。

イネオスはすでに昨年からヨーロッパ全土の水素製造プラントへの出資計画を打ち出している。今回のイギリス市場への参入は、今後開始が予想されるイギリス政府の2.4億ポンド(約370億円)規模の水素生産支援計画を見越しての発表となった。

水素は、「グリーン水素」と言われる再生可能エネルギーと水から生産される水素と、「ブルー水素」と言われる化石燃料から生産される水素の二種類あるが、Hydrogenoneはどちらにも出資する予定だ。

水素エネルギーは、イギリス政府の気候危機対策において重要な柱のひとつである。
しかし、環境保護団体からは、水素生産の過程において再生可能エネルギーよりも化石燃料に大きく依存するのではないかという懸念も高まっており、現在の気候危機の大きな要因である、化石燃料生産への継続的な依存を促進する可能性も否定できない。また、ブルー水素に関しては、現在の二酸化炭素隔離・貯留技術では水素を生産する際に副産物として発生する二酸化炭素を全て回収できないため、批判の声が多く上がっている。

イネオスの他にも、ブリティッシュ・ガスの親会社でもあり、イギリス最大のガス事業者のCentrica plc. も水素事業への投資を準備しており、政府と共同でイギリス北東部沖のにある、使用されなくなった海底ガス貯蔵所を水素貯蔵所に作り替える約1000億円に相当する6.5億ポンドの計画について検討を始めている。

一方、ノルウェーの国営石油会社であるEquinorはイギリス国内で生産するブルー水素を3倍にする計画があり、オランダ・ハーグに拠点を置くRoyal Dutch Shellは2021年7月初めにドイツでグリーン水素の生産を開始した。


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THINK WASTE 編集部

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