アメリカ、プラスチック包装資材における拡大生産者責任拡大の動き

アメリカの一部の州において、包装資材製造業者にリサイクル費用の負担を求める制度の導入が議論を呼んでいる。2021年7月、ジャネット・ミルズ、メイン州知事が包装資材関連の素材を生産する事業者に新たに設置した州基金への支払いを義務付ける法案に署名し、8月にはオレゴン州でも同様の法案が可決された。

中国をはじめとしたアジアの国々が国外からのプラスチック廃棄物受け入れを停止・規制強化したことにより、使い捨てプラスチック削減やプラスチックリサイクルへの取り組みが急がれる中、これらの法案は企業の新たなリサイクル施策の実施や包装材の削減で基金への支払いを減額できるため、使い捨てプラスチックの削減、リサイクル率向上が期待される。また、リサイクル費用を政府や消費者から産業界に移すことにより、リサイクル費用負担のバランスをとる方法とも見られている。

このような「拡大生産者責任」はヨーロッパやカナダの一部の州で広く浸透しているが、今回の法案は関連企業や団体、産業界からの大きな反発を招く結果となった。

包装資材業界を代表する団体AMERIPENのダン・フェルトンはヴァリューチェーン全体を通して、包装資材業界やリサイクル業界からの専門的な知見とサービスが必要だと述べ、今回の法案について以下のような懸念を示した。
● 増加分のコストが消費者へ転嫁されてしまう。
● 利害関係者の意見が取り入れられておらず、包括的な意思決定ができないため、長期的な解決策にならない。
● 収集・分別・最終処理などの研究への投資もするべき。
● 業界内の協力体制構築や業界主導のリサイクルが軽視されている。
● 州にとって大きな負担となり、非効率化やリサイクル業界への過負荷となる。

また、今回の法案は包装資材のリサイクルの行いやすさではなく、重量と種類により基金への支払い義務が生じるため、リサイクルできる素材がリサイクルできない素材より多くの支払いを必要とする可能性が指摘されている。

今回の法案を受け、各企業や事業者がそれぞれの役割を果たしていくと共に、国レベルでの取組へ向けて議論が活性化するだろう。


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