新興各国、廃プラの輸入規制緩和へ

東南アジアを中心とした新興各国で、リサイクル用の廃プラが不足し、一時は厳格化されていた輸入規制が緩和される事態が起こっている。2017年に大規模な廃プラの輸入規制を敷いた中国の影響から、「世界のごみ捨て場」になることを恐れた各国は、軒並み廃プラ受け入れを拒んだ。しかし、現在では真逆の政策に打ち出している。背景には、新興国内での再生プラ原料の不足がある。また、新興国の資源ごみ回収の仕組みが整っておらず、国内だけで再生工場を安定運用できるだけの廃プラを集めるのは困難であることも要因の一つである。

各国の対応

■タイ
22年1月に予定していた廃プラの全面輸入禁止を5年間延期する方針を明らかにした。タイでは中国の輸入規制後、廃プラの輸入が急増。ピークの18年には廃プラの輸入量で世界4位まで上昇した。規格を満たされない汚れたゴミの輸入や不法投棄が問題になり、タイ政府は規制を強化していた。

仏スエズ社や地場大手のPTTグローバルケミカルが再生プラ工場を開設するなど、リサイクル事業への投資が拡大。現地紙によると、タイに拠点を置く中国系のリサイクル事業者は「廃プラが足りず、損失が出ている」と当局に訴えている。

■トルコ
7月上旬、廃ポリエチレンテレフタラート(PET)などの輸入を禁止したが、8日後に規制を撤回した。同国では欧州からの廃プラの輸入が急増。20年には重量ベースで世界最大の廃プラ受入国となっていた。

■マレーシア
一時は「世界のごみ捨て場ではない」としてプラごみを積んだコンテナを送り返すなど強硬姿勢をとっていたが、3月に米国から送られてきた廃プラについて「汚れたものではない」と写真付きの声明を出し、受け入れた。マレーシアプラスチック製造業者協会(MPMA)とマレーシアプラスチック再生業者協会(MPRA)は4月、「無差別に輸入禁止を求めることはマレーシアの循環型社会と持続可能性の発展を遅らせ、妨害する」という内容の声明を発表している。

 

ここにきて東南アジア各国の態度が軟化したのは、1月にバーゼル条約が施行されたことも影響している。条約は、汚れていて資源として使えないプラごみなどの輸出には相手国への事前通告と承認を必要とするが、輸入品が原則そのままリサイクル可能なペレットやフレーク状の再生プラ原料のみとなったことも、受け入れ国の安心感を高めた。

引用元の記事から引用

再生プラを使った繊維などの需要も繊維産業が盛んな新興国に偏っている。国際資源循環に詳しい中央大学の佐々木創教授は、「現状では先進国からの再生プラ原料を新興国でリサイクルし、製品に再加工するという国際分業を進めた方が効率的」との見方を示している。


【引用元】
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THINK WASTE 編集部

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