仏ヴェオリア、仏スエズを総額3兆4,000億円で買収

2021年7月、水ビジネス世界首位の仏ヴェオリア・エンバイロメント(以下ヴェオリア)が同業界2位の仏スエズを総額260億ユーロ(約3兆4,000億円)で買収する提案が認可され、売上高約370億ユーロ(約4兆8,000億円)の巨大企業が誕生する。今後予測される水不足などを要因に水ビジネスの市場は拡大しており投資家の注目も大きい。今後のヴェオリアの動きが注目される。

今回の買収を受け、目下ヴェオリアの株価は買収合意前と比べ15%高く、時価総額として約168億ユーロとなり、フランス企業としては世界各地にスーパーマーケットチェーンを展開するカルフールや自動車メーカー大手ルノーを上回る規模となっている。
水市場は2030年までに2020年から5割増の110兆円規模になると予想されており、今回のスエズ買収でヴェオリアは技術面だけでなく、スエズがこれまで築き上げてきた各国自治体との繋がりを手に入れることになる。ヴェオリアはこれらを活かして今後の需要拡大に備えたい考えだ。

しかし、現状業績は芳しくない。上下水道事業を一から十まで請け負うヴェオリアだが、2020年12月期の連結純利益は約1億ユーロ(約126億円)と前期から8割減となり、利益率としては0.4%という低い数字となった。収入の大半が自治体との歩合制の長期契約になるため、利幅が小さくなる傾向にある。加えて、配管ネットワークなどインフラ更新にかかる費用がかさみ、営業キャッシュフローの7割を設備投資に当てているもののその資産増に伴う利益が出にくい状態になっている。

利益の出にくい水分野であるが、水の2030年問題と言われる水不足問題や新興国での下水道整備の加速が予想されるため、水の効率利用技術の開発や市場拡大・多様化を見越した投資家からの関心は高い。さらには参入企業が多く競争が激化しているため、今回の買収を持ってしてもヴェオリアの思惑通りにいくかは明らかではない。

日本企業にとっても今回の買収は無視できない。ヴェオリアは日本でも有力企業として自治体などから認知されており、宮城県では上下水道と工業用水の運用の委託先になっている。また、昨今のデーターサーバーの増設や半導体製造の拡大などに伴う水需要の多様化があり、日本企業としても今後その高い技術力をいかに発揮するかが焦点となる。

国内外の水ビジネス市場に注目していきたい。


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THINK WASTE 編集部

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