PCR材の現状と課題(後編)

前編ではPCR材の現状とケミカルリサイクルについて述べた。後編ではPCR材の供給状況や課題に焦点を当てる。

PCR材の供給状況

Independent Commodity Intelligence Services(ICIS)のシニアマーケットエディターであるFriedman氏は、消費者の需要が、PCR材の需要を高めている主要な原動力であると述べている。

「ここ数年、プラスチックが環境に与える影響に対する消費者の意識が本当に高まっていることを、私たちは皆感じている。再生プラスチック産業は、少なくとも米国では、主にコスト重視の代替品として使用することで成り立っていた。なぜなら、バージン材と比較して安価な材料であったからだ。」

多くのグレードはまだこのモデルに従っているが、消費者包装に使用されるPCR材の需要は、エレン・マッカーサー財団のNew Plastics Economyに関連したブランドのコミットメントに影響されているとFriedmanは述べている。これは一般的に、25%のPCRを使用し、2025年までにすべてのプラスチックパッケージをリサイクル可能、再利用可能、生分解性または堆肥化可能にすることを含む。

Friedman氏は、これらの目標を達成するためには、今後3年間でPCRの供給が「指数関数的に増加」することが必要であると言う。「PETは必要な成長に見合うだけの供給量を確保しているが、ポリエチレンとポリプロピレンは特に確保に課題が残る。」

2025年までにパッケージ包装の15%のPCR材含有率を達成するためには、今後3年間で145の再処理施設を追加する必要がある。2030年までに30%のPCR材含有率を達成するためには、46%の年複利成長率が必要だ。「15パーセントと30パーセントを達成するためには、天文学的な量の材料が必要になるのだ。」とFriedman氏は続けた。

これらの目標を達成するためには、2025年までに生産量を2倍にし、2030年までにさらに2倍にする必要がある。「しかし、私たち全員が同意していることだが、この目標達成の鍵を握っているのは供給サイドだ。」

2030年までにリサイクル率50%を達成するためには、PETボトルとHDPEボトルの回収率が75%以上になる必要がある。しかし、近年の回収率は20%台後半から30%台で停滞しているか、わずかに減少している。

米国の10州にはボトル法案があるが、これらの法律の多くは、リサイクルを奨励するために保証金を高くするなど、近代化が必要だ。昨年の需要過多、供給不足の状況下で、PET、HDPE、PPの価格は過去最高を記録し、その結果、PCRの使用に関する誤った主張、品質の低下、バージン代替の後退が生じたとFriedmanは述べている。


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THINK WASTE 編集部

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