ケミカルリサイクル、国内外で広がる

三菱ケミカルはENEOSと英Mura Technology(ムラテクノロジー)と共に年間2万トンの廃プラスチックを処理する商用施設の運転を2023年に開始する予定だ。ポリエチレンやポリプロピレンなどを中心にプラスチックの再製品化を目指す。

プラスチックリサイクルには、大別してマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルがあるが、再生材の品質が劣化してしまうマテリアリサイクルと比べ、品質の劣化がなく、何度も再商品化ができるケミカリサイクルが注目を集めている。国内では三菱ケミカルが英企業などと協働し商用施設を2023年に稼働させる予定だ。日本国外でも大型商業施設が稼働し始める。ケミカルリサイクルはライフサイクルが伸びる一方で、廃プラスチックの回収や処理コストが大きく、必要なエネルギーも大きいなど、課題も多い。

この度三菱ケミカルは、ムラテクノロジーが持つ高圧の「超臨界水」を用いて油化を行うリサイクル方法を導入する。この技術はムラテクノロジーが実証済みであり、すでに年2万トンの廃プラ処理能力を持つ施設を建設済みで、2022年の稼働を予定している。

国内のプラスチックリサイクルは焼却し、そのエネルギーを回収する「サーマルリサイクル」が大半を占めており、再度資源として有効利用されている割合はかなり低い。さらにマテリアルリサイクルが2割程度あるのに比べ、ケミカルリサイクルはほとんど行われていない。このような状況を改善すべく、国内では技術開発が急がれる。

国外での動きも注目する必要がある。英プラスチックエナジーはフランスやサウジアラビアでの商用施設の稼働を予定しており、米イーストマン・ケミカルはテネシー州に大型施設を建設予定だ。

ケミカルリサイクルにおけるコスト高や環境コストの緩和に向け、炭素税の導入やプラスチック回収費用、再生プラスチックの製造費の補助など、政策面での取り組みも必要になる。企業の取り組みだけでなく政策も含めた、国内外のケミカルリサイクル促進の動きに今後も注視していきたい。


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THINK WASTE 編集部

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