食品衛生法改正でリサイクルしていた紙容器を廃棄へ

学校給食で飲み終えた牛乳パックをリサイクルするか、廃棄処分するか-。兵庫県内の自治体で対応が分かれている。これまでは牛乳納品業者が回収しリサイクルしてきたが、昨年6月の食品衛生法改正で衛生管理が強化され、納入業者をまとめる兵庫県牛乳協会(神戸市中央区)が、今年春から回収の中止を決めた。廃棄処分に切り替えた西宮市は「新たに業者に頼むと多大な費用がかかる。苦渋の決断だった」と説明する。(斉藤絵美)

 平日昼すぎの西宮市立春風小学校(同市上甲子園3)。給食を終えた児童たちは、廊下に置かれたバケツの水で牛乳パックをゆすぎ、手際よく畳んでまとめていく。パックは給食室に運ばれ、そのままごみ袋へ。「リサイクルはできないが、小さくまとめることでごみの量は減らせる」と担任教諭は話す。

 県牛乳協会によると、瓶牛乳が残る尼崎市を除き、県内全市町が給食で紙パックの牛乳を提供する。飲み終えた牛乳パックは洗って各校が保管し、翌日に業者が牛乳を納入した帰りに回収。年間約337トンの紙パックがリサイクルに回されてきた。

 しかし、昨年6月の食品衛生法改正で、食の国際的衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理が義務化された。飲む前の牛乳と飲み終えたパックを同じトラックで運搬するのは不衛生だとして、県牛乳協会は昨年6月、県内全市町の教育委員会などに回収中止を通達。今年4月以降、自主的にリサイクルするよう各市町教委に依頼してきた。

 この通知を受け、「環境学習都市」を宣言する西宮市は当初、リサイクルを続ける方針で検討。しかし、自前でリサイクル業者に頼んだ場合、年間数百万円が必要なことが判明し、同市教委は廃棄処分を決めた。担当者は「市税を投入してまでやるべきことではない。他の手段で環境学習に取り組みたい」とする。姫路市でも同様の理由で、4月から廃棄している。

 一方、神戸市ではリサイクルを継続。各学校でパックを洗って保管し、業者に週2回、引き取ってもらう。小中学校など計250校で約10万食の給食を提供しており、同市教委は年間で約1800万円の費用がかかると見込む。担当者は「廃棄してもごみの回収費用がかかる。教育の観点からも、リサイクルを続けることにした」と話す。

 同様にリサイクルを続ける芦屋市では、同市教委の職員が週1回、車で回収してリサイクル業者に持ち込んでおり、今年4~9月で約5万円の収入になったという。

※写真はイメージ

【引用サイト】給食の牛乳パック、廃棄か再利用か 衛生管理強化で回収中止


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THINK WASTE 編集部

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