
凸版印刷、バイオマスポリエチレンを使用した紙カップの販売を開始

凸版印刷(東京都千代田区)は、バイオマスプラスチックを使用した製品「BIOAXX(バイオアクス)」シリーズの新製品として、バイオマスポリエチレン(以下、バイオマスPE)を使用した紙カップを開発した。食品や飲料業界に向け、2015年1月から販売を開始する。
同製品は紙カップにバイオマスPEを使用したラミネート包材で、紙カップの内外面にバイオマス素材のフィルムを用いることで、ほぼ100%のバイオマス度を実現。植物由来の原料を使用しながら、カップ成型性やシール性など各種物性において、石油由来のポリエチレンフィルムを用いた従来の紙カップと同等の性能を保持している。
同製品は、2014年10月7日(火)~10日(金)まで開催される「2014東京国際包装展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースにて展示される予定だ。
バイオマスプラスチックは、植物由来の原料を用いた、持続的利用ができる再生可能資源。石油など化石資源の使用量を削減できるため、持続可能な社会形成に貢献でき、また、植物の生育時に大気中のCO2を吸収していること、および焼却しても焼却時のCO2発生量と植物生育時のCO2吸収量がプラスマイナスゼロとみなされることから、石油由来のプラスチックに比べてCO2排出量を削減することができる、環境に配慮した材料として注目されている。
こうしたことから凸版印刷は、1991年よりバイオマスプラスチックを使用した包装材の開発・商品化に取り組んでおり、2011年に厚さ100µm以上、翌2012年に厚さ40µm以下のバイオマスPEを使用したラミネート包装材を日本で初めて開発。食品やトイレタリー、医薬品など幅広い分野の軟包装材として展開している。
このたび、凸版印刷が従来培ってきたラミネート技術により、バイオマスPEを使用した、ほぼ100%のバイオマス度を持つ紙カップを開発しました。
今後は、同製品の研究開発を進め、石油由来のポリエチレンフィルムを用いた現状品とほぼ同等の価格での提供を目指すという。