
全清飲、ペットボトル有効利用2030年度までに100%

全国清涼飲料連合会(全清飲)は11月29日、2030年度までに使用済みペットボトルを100%有効利用する目標を発表した。
全清飲の堀口英樹会長は同日の記者説明会で「清涼飲料業界として取り組まなければならない最も重要な課題だ」と述べた。リサイクル徹底に向け自動販売機横の回収箱に分別を促すラベルを貼り、異物の混入状況を調べる実証実験も始める。
国内のペットボトルのリサイクル率は約85%で推移しており約20%の米国や欧州の約40%と比べて高い。粉砕して結晶化したものは繊維や食品トレーなどに再生される。
今回の全清飲の目標はペットボトルの有効利用を徹底するもので、リサイクルのほかに焼却によるエネルギー利用も含む。すでに8割を超えるリサイクル率をさらに高めるためのハードルは高く今後の大きな課題になる。
注目を集めるのは使用済みペットボトルを原料に再びペットボトルを生産する取り組み。サントリーホールディングスは今夏、リサイクルを手がける協栄産業(栃木県小山市)などと再生ボトルを効率的に生産できる技術を開発し、製造ラインの稼働を始めた。
ただ11年に実用化が始まった再生ペットボトル技術は量産化できる企業が少なく、流通量はまだ全体の1割にとどまる。
さらなる環境対応に向け今後は技術革新を含めた新たな取り組みを求める声が高まりそうだ。
※写真はイメージ
ペットボトル有効利用、30年度までに100% 飲料業界が目標
*本記事に掲載している写真と本文は関係がありません