食品残渣活用広がる 繊維、プラスチック等に再利用

これまで活用が限られていた搾りかすなどの食物残さに新たな商機を見いだす動きが広がっている。イオンはコーヒーの搾りかすを練り込んだ繊維を使った衣類を販売。愛媛県はミカンの搾りかすから植物由来の新素材を取り出す。食品産業から出る廃棄物は飼料や肥料への再利用にとどまっていたが、製品原料に変える「マテリアルリサイクル」の技術開発が進んでいる。

イオンはコーヒーを抽出した後のかすに注目。コーヒーの搾りかすを炭化させてポリエステルの糸に練り込んだリサイクル繊維を採用した。体を温める遠赤外線効果や防菌が期待できるという。

イオンが手掛ける環境に優しい素材などを使った衣料品を取り扱うファッションブランド「セルフ・サービス」内で販売。セーターやスカートなど30品程度を展開する。18年度の売り上げは前年比4割増えた。イオンリテールのセルフサービスユニットの担当者は「環境への貢献とファッション性の両立を追求していく」と語る。

愛媛県はミカンなどのかんきつ類をジュースに加工する過程で発生する搾りかすから、植物由来の新素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を取り出す技術を開発。CNFは鉄よりも軽く、強度は5倍とされており、高付加価値な素材として期待が高い。

愛媛県はCNFを混ぜた樹脂を自動車や電子部品に活用するほか、タオルの糸の表面にCNFをつけ、強度を増したり、けばを抑えたりすることも視野に入れている。25年度までに愛媛大学などと協力し実用化を目指し産業振興につなげる。

世界的にプラスチックの利用を制限する「脱プラ」の動きが広がる中、三菱商事子会社の三菱商事プラスチックは、搾りかすをプラスチックの代替品として利用する。製糖工場などから出るサトウキビの搾りかすを精製して天然パルプを製造。電子レンジでも使える食品容器として販売する。

投資家が環境配慮の姿勢を企業に求める「ESG投資」が加速し、企業の環境問題への感度は高まっている。マテリアルリサイクルの技術を活用した身近な商品が広がれば、産業育成や技術の高度化につながりそうだ。

※写真はイメージ

【引用サイト】「搾りかす」は宝の山 食物残さ活用広がる


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THINK WASTE 編集部

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