牛糞からメタノール、化学製品原料として脚光

大阪大が開発したメタンをメタノールなどに効率よく変換する技術が、北海道で新たな収入源になると期待されている。牛ふんから生じるメタンは主に発電に使われるが、メタノールは様々な化学製品の原料になり使い道が広がるからだ。オホーツク海沿岸の興部(おこっぺ)町が阪大と連携協定を結び、今秋から大量生産に向けた技術開発に乗り出す。

酪農が盛んな北海道では、家畜のふんや尿を発酵処理して発生するメタンなどを利用するバイオガス発電が広がっている。酪農家や自治体、農協、企業などが運営するプラントが70基以上稼働しており、自家消費のほか北海道電力に売電している。

プラントを新増設したい事業者は多いが、北電の送電線の空き容量が不足しているため売電が見込めず、多くの建設計画が暗礁に乗り上げているという。

興部町には3基のプラントがあり、町内で発生する乳牛のふんや尿の約2割を処理している。町は収益増を狙ってもう1基つくる構想を持っているが、送電線の問題もあって具体化していない状況だ。

そこで町は、売電に代わる収益源を模索。昨年、硲(はざま)一寿町長が大久保敬・阪大教授らの研究に目をとめた。二酸化塩素と光を用いてメタンを酸化反応させ、メタノールとギ酸に変換する新手法だ。

従来の方法は高温・高圧で反応を進める必要があり、メタノールへの変換効率は1%に満たなかった。新手法は常温・常圧で可能で変換効率も14%と大幅にアップ。乳牛560頭のふんや尿から、年間約80トンのメタノールと400トンのギ酸が得られる計算という。

メタノールは電化製品や医薬品の製造過程で広く使われるため、売れば新たな収入源になる。ギ酸は乳牛の飼料の添加剤になるので地産地消も期待できる。

硲町長が共同での技術開発を持ちかけたところ、実用化を目指していた阪大も快諾。今秋から3~5年かけて阪大と町内の研究施設で、大量生産に向けた技術開発を進める。採算性を見極め、町営プラントでの実証実験に進む予定だ。

※写真はイメージ

【引用サイト】牛ふん、新たな収入源に? 化学製品原料として脚光


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THINK WASTE 編集部

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