BASF社、サーキュラー・エコノミーに向けた新しいプログラムを発表

 BASF(本社:ドイツ)は2020年12月、第一回デジタルリサーチプレスカンファレンスにて、2030年までにサーキュラー・エコノミー向けのソリューションでの売上高を倍増させ、170億ユーロにすることを目指す新しいプログラムを発表した。BASFは循環型原料、材料の新しい循環、新しいビジネスモデルの3つの活動分野に注力し、2025年時点で年間25万トンの化学原料をリサイクル及び廃棄物ベースの原材料に置き換えることを目指す。

■バッテリーのリサイクル
 2030年には150万トン以上のバッテリーセルを処分する必要があると言われている。これにはリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルが含まれ、電池をリサイクルすることによってこれらの原料を再生できる。リチウムイオン電池をリサイクルすることにより、天然の鉱床から採掘するのと比較して25%ものカーボンフットプリントを削減できる。
 しかし、既存の化学プロセスでは原料の収率が低いわりに多くのエネルギーを消費し、廃棄を必要とする大量の塩を生成していた。BASFは、電池から高純度のリチウムを高収率で回収し、廃棄物を減らし、CO2排出量をさらに削減できる新しいプロセスを開発している。

■廃プラスチックの原料化
 BASFの研究開発者は、プラスチックについてもより効率的な材料リサイクルの確率に取り組んでいる。コンサルティング会社Conversio(オーストラリア)の調査によると、世界中で年間2億5000万トンの廃プラスチックが発生し、リサイクルされ循環するのは20%のみ。マテリアルリサイクルには品質の安定性の課題があり、BASFの研究開発チームはリサイクルの質を改善し、安定させるために様々なプラスチック添加剤パッケージを開発してきた。
 また、BASFはケミカルリサイクルを推進するため2018年にChemCyclingTMプロジェクトを立ち上げ、混合プラスチック廃棄物から熱分解油を製造するプロセスの更なる開発と改良に取り組んできた。新しいプロセスで利用される技術に適した触媒の開発を進めてきたが、すでにノルウェーのパートナーであるQuantafuelの熱分解工場に組み込まれている。両者の科学者は開発作業を遂行するためにスーパーコンピュータの計算能力、専門知識、及び高処理能力を活用している。

■ランブータンプログラム:オーガニック原料と持続可能な調達
 再生可能な原材料として、植物のこれまで使われていなかった部分から高品質の化粧品への有効成分を抽出するのがランブータンプログラムだ。BASFの研究開発チームは、化粧品業界の顧客のため、自然界のあらゆるサンプルを毎年研究し、ライチの近縁種であるランブータンの木の葉に含まれるコラーゲンの生成を促進する物質を発見した。BASFは果皮や種子に含まれる有効成分をも活用し、植物のいかなる部分も無駄にしないようにする。
 さらに、ランブータンの調達には、ベトナム現地パートナーと共に社会的・環境的責任が持てるサプライチェーンを構築し、オーガニック認証を受けた最初の2つのランブータン農園での栽培を開始した。このプログラムでは労働者が平均以上の収入や健康保険の提供を可能にし、安全な労働環境を保証する。


【引用元】
*本記事に掲載している写真と本文は関係がありません

この記事を書いた人

THINK WASTE 編集部

こんにちは、THINK WASTE編集部です。ご覧いただき誠に有難うございます。国内外のリサイクルの取組事例や再生可能エネルギー技術、資源循環型社会構想など、先進的な廃棄物利活用に関する情報をお届けいたします。