東京大学 微細緑藻の研究で成果、バイオ燃料生産の効率化に期待

 東京大学大学院農学生命科学研究科は、4月18日、バイオ燃料源として期待される微細緑藻のL品種から、リコパジエンという炭化水素の生合成に係る新規酵素を特定したと、発表した。今まで全く不明だったリコパジエンの生合成メカニズムの一端が明らかになったことで、効率の良いバイオ燃料生産技術の開発に繋がることが期待される。
 同研究では、バイオ燃料源として有望視されている微細藻類の一種Botryococcus braunii(以下、B. braunii)のL品種から、油の生産に関わる新しい酵素遺伝子の特定に成功した。B. brauniiには、生産する油のタイプによりA、BおよびLの3品種があり、L品種はリコパジエンと呼ばれる炭素数40の炭化水素を生産する。L品種の炭化水素含量は、乾燥藻体重量の数%程度であり、B. brauniiのAおよびB品種に比べると低いが、一般的な微細藻類の炭化水素含量よりも高く、かつ、リコパジエンは枝分かれした分子構造をしているため、燃料源として魅力的だ。B品種における炭化水素生合成酵素遺伝子は過去に特定されているが、L品種の炭化水素生合成機構は全く分かっていなかった。同研究により、リコパジエンは、炭素数30のスクアレンという炭化水素を生産する酵素と非常に良く似た酵素により作られることが分かった。
 B. brauniiのB品種に続き、L品種の炭化水素生合成に関わる酵素遺伝子を特定できたことで、この藻種が「何故テルペン系炭化水素を作るのか?」という問いに対する答えを見つける手がかりが得られた。同藻種が炭化水素を必要とする理由の解明と炭化水素合成に適した培養方法の開発等により、同藻種からの代替燃料生産への貢献が期待できる。

画像:Botryococcus brauniiL品種の蛍光顕微鏡写真(東京大学大学院農学生命科学研究科HPより


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THINK WASTE 編集部

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