太陽熱燃料を利用したEU開発プロジェクト開始

 太陽光発電は持続可能な社会を支える再生可能エネルギーの一つとして期待されているが、太陽が出ていない時にも電力を使用するためにはエネルギーを長期貯蔵する必要があることが課題の一つとなっている。

 スウェーデンのちゃるまーす工科大学の研究グループは、MOST (Molecular Solar Thermal Energy Storage) という太陽エネルギーを貯蔵して後から利用できるシステムの開発を進めている。

 2018年に同研究グループは太陽エネルギーを蓄えることができる液体「太陽熱燃料(solar thermal fuel)」を開発した。太陽熱燃料は炭素・水素・窒素からなる分子で、太陽光を浴びると原子間の結合が再編成され、エネルギーを化学結合の間に取り込む異性体に変化するそうだ。太陽熱燃料は室温まで冷えてもエネルギーを閉じ込めたまま維持することができる。研究グループが開発した触媒とともに63℃まで温度を上げると元の異性体へと戻り、熱として放出されることでエネルギーを取り出すことができる。

 MOSTシステムで太陽熱燃料を透明チューブ内で循環させることでエネルギーを蓄積し、再調18年間貯蔵できると報告している。エネルギーを取り出した後の太陽熱燃料はMOSTに戻して再利用でき、これまで125回再利用しても分子構造に大きな影響はないことが確認されている。研究チームの計算では、太陽熱燃料は1kgあたり最大250Whのエネルギーを蓄えることができる。

 すでにMOSTの開発は進んでおり、暑い日の室内の温度を均一にする窓用フィルムに応用されている。2020年後半から、3年半で430万ユーロ(約5.6億円)の資金を得たMOSTの大規模応用に向けたEUプロジェクトが始まっている。研究グループによると、太陽熱燃料技術は10年いないに商業的に利用可能になると考えているそうだ。


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THINK WASTE 編集部

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