ENEOS、JREを2000億円で買収

ENEOSホールディングスは、日本や台湾で再生可能エネルギーを手がける再エネ新興企業ジャパン・リニューアブル・エナジー(以下JRE)を約20000億円で買収する方針を固めた。2021年10月中に株主である米ゴールドマン・サックスとシンガポール政府投資公社から全株取得後、基本合意し、公表する予定だ。日本国内の石油元売大手としては初となる再エネ新興企業の大型買収となる。世界的に脱炭素の動きが加速する中、石油依存から脱却し、再生可能エネルギー分野に活路を見出したい考えだ。

各国が脱炭素化を目指し電気自動車などに注力する一方、石油需要は今後も減少すると見られている。加えて、日本政府も2050年までに温暖化ガス実質排出ゼロを目指すとしており、環境に配慮した投資を行いたいという投資家からの圧力も日に日に増している。このような状況を考慮し、再エネ分野への参入を急ぐENEOSとしては自社で開発を行うよりも買収を行う方が得策だと考え、今回の買収に踏み切った。

JREは創業から10年も経たない新興エネルギー企業だが、日本や台湾で太陽光・風力・バイオマスなどの再エネを計60箇所手がけ、開発中のものも含めると現在の合計出力は88万キロワット(原子力発電所1基分相当)を有する。2020年12月期の売上高は36億円程度と見られている。

ENEOSは2023年の3月期までに約4000億円を再エネに投資するとしているが、その半分を売上高36億円のJREの買収に充てる目的は、JREの持つ太陽光発電と洋上風力発電のノウハウや権益だ。JREは、開発中のものも含めると約60万キロワットの太陽光発電所を保有しており、その中には政府の固定価格買取制度において高単価で売れる権利を持つ発電所が多いため、将来的に安定した収入が見込める。
加えて、陸上よりも安定した発電が可能で、政府も2040年までに4500万キロワットの発電出力を目指すなど、再エネの主力電力と期待している洋上風力の分野に強みを持つ。国の指定地域にしか建設できず、地元の漁業関係者との交渉にも時間がかかるなど、障害が多い洋上風力発電だが、他方でJREは2030年頃からの普及を目指し、長崎県や秋田県、北海道などで洋上風力の開発を行っており、完成すれば発電量は計100万キロワットを超える規模になる。

ENEOSは今回のJRE買収も含め、再生可能エネルギーなどの環境配慮型エネルギーの更なる推進・拡大に取り組んで行きたい考えだ。今後のENEOSの再エネ事業に注目が集まる。


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