ゲイツ氏支援 フードロス削減狙う米スタートアップ

 米カリフォルニア州にあるスタートアップ、アピールサイエンスは、果物の皮の成分をもとに、果物の劣化を遅らせる液体を開発した。2018年夏にも本格的に販売する計画だ。

 アピールサイエンスが開発した劣化抑制剤「エディピール」を吹き付けることで、果物の腐敗を遅らせることができる。エディピールは果物の皮に含まれている脂質などからつくりだした液体だ。脂質などを分解、乾燥を抑えたり、酸化を防いだりするのに役立つ分子だけを再合成する。果物の皮は実を保護するだけでなく、腐敗のスピードを緩める役割もある。その役割につながる成分だけを取りだし、果物の皮の外側に吹き付けるというのがアピールサイエンスのアイデアだ。透明な2枚目の皮を付けるようなイメージだ。

 「果物の種類にもよるが、常温で保存していても、食べられる期間は2倍に伸びる」。アピールサイエンスのビル・ストロング氏は説明する。寿命が2倍に延びる意義は大きい。流通段階での腐敗による廃棄(フードロス)をの削減につながるからだ。

 エディピールは、米食品医薬品局(FDA)から食品への使用承認を得ており、すでに「キャビアライム」というかんきつ類の一種を生産するカリフォルニア州の農家が採用し始めているという。現在、日本も含めた国内外の農業生産者や大規模小売店と商談を進めており、この夏にも本格的に販売する計画だ。

 売上高がまだほとんど立たない中、75人の従業員を抱えるアピールサイエンス。同社をこれまで支えてきたのがベンチャーキャピタル(VC)をはじめとする投資家である。12年の設立からの調達額は総額4千万ドル(約43億円)に達する。なかでもマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ夫妻による「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」はアピールサイエンスの設立直後と15年の2回にわたって投資した。

「アフリカの農家が栽培した農産物が輸送途中で腐るようなことをなくしてほしい。」米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と妻のメリンダ氏がこんな思いで目をかけてから5年。開発の成果が試される。

※写真は「エディピールの仕組み(出展元:参照サイト)」

【参照サイト】https://r.nikkei.com/article/DGXMZO27760370W8A300C1X11000


*本記事に掲載している写真と本文は関係がありません

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THINK WASTE 編集部

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