RECOTECHコラム「行き場を失うプラスチックごみ」

 今、EUを中心に欧米諸国ではプラスチックによる海洋汚染問題がクローズアップされ、国や企業のSDG’sを基軸とした活動も追い風となり、様々な規制や取り組みが進んでいます。Think Wasteでも配信していますが、「イギリスでのプラスチックストローなどの禁止」「アメリカ、シアトルでのストロー使用禁止」「フランス、使い捨て食器の禁止」「台湾、2030年までに使い捨てプラスチック製品の全面禁止」「インド、デリーでプラスチック袋使用に罰金」等々、政治決断とも言える大胆な政策が打ち出されています。

 一説には全世界のプラスチックのリサイクル率はわずか5%であり、2050年までに世界のプラスチック生産量は5億トンを超えると予想されています。そして2050年には海を漂うプラスチックごみが魚の量を上回るとの予測をしています。また世界のプラスチックリサイクル工場である中国が受け入れを停止し、行き場を失ったプラスチックごみの処理は世界的な課題となっています。
 一方でプラスチックは現代の生活の中ではもはや必要不可欠な素材でもあります。様々な加工をすることで食品の品質を保持できる包装材となり、軽量な容器として飲料水を運搬することもできます。また医薬品を必要な人に安価に届ける際にも大きな役割を果たしています。このプラスチックを代替えする素材を開発し安価に流通加工することは簡単なことではありません。取り組むべき事業ではありますが、まだまだ時間はかかると思われます。そういった状況ではすでに流通しているプラスチックをより効率的に回収するしくみや精度の高い分別システム、より高品質な再生プラスチックを作るリサイクル技術が期待され必要とされるのではないでしょうか?

 資源循環を考える時、地下と地上の循環の理論を分けて考える必要があると言われます。地下では何百年、何千年かけて有機物が圧縮され原油が作られて行きます。一方地上ではその何倍ものスピードでものが消費され廃棄され続け、海や地下に投棄されていきます。どう考えても時間軸が合いません。地上で消費されたものをできるだけ再度地上で循環させそして、その土地にあった量で地下の循環に還元していくことが必要です。
 生産技術の発展により世界の生産性は益々高くなり、多くの人が豊かな生活を送ることができるようになっています。その発展を持続可能なものにするために生産技術同様に資源循環の技術イノベーションを世界が今まさに必要としています。


*本記事に掲載している写真と本文は関係がありません

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THINK WASTE 編集部

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