脱原発したイタリアがバイオマスでアフリカ支援

日照時間の長いアフリカでは太陽光発電が盛んだが、別の電力供給源はないだろうか―。北イタリアのエミリア地域モデナ大学では、主食であるトウモロコシの食べかす、すなわち芯を燃料にしたバイオマス発電に取り組んでいる。モデナ郊外のマラネッロはフェラーリ発祥の地であり、この地域は個性的な独自路線で活路を開く風土がある。

エンジニア研究室で再生可能エネルギーの開発に取り組むのはジュリオ・アレシーナ博士。発電・蓄電、省エネをテーマにしており、アフリカ支援として、トウモロコシの芯や木片、ペレットを利用したバイオエネルギーの開発をしている。ただ燃やすのではなく、酸素を加えて燃焼させ、発生したガスでモーターを回して発電するというものだ。EUの補助金を受けてプロジェクトを進めており、カメロンに持参して現地で稼動させる予定とのこと。トウモロコシは実を食物に、芯をエネルギーとして活用できれば―。

同研究室では、熱の伝導性も研究テーマのひとつだ。イタリアは暑い。観光ポスターには、白い壁の建物に青い海の光景がよく見られる。壁が白いのは、太陽の熱を跳ね返すためだが、伝統的なレンガ造りの家の壁をすべて白く塗るわけにはいかない。レンガにさまざまな種類の塗料を塗り、反射度や熱の吸収度を測定する。これによって外観の変化を最低限に抑え、塗料を変更するだけで、暖房や冷房の使用量を節減することができる。

また、さまざまな断熱材の熱伝導性を調査し、いっそう効率的な断熱材の開発研究もしている。

イタリアに稼働中の原子力発電所はない。チェルノブイリ原発事故の翌年1987年に行われた国民投票を受け、稼動していた5基を順次閉鎖している。福島原発事故から3ヶ月後の2011年の6月、再び原発の賛否を問う国民投票が行われたが、9割以上が反対の意を表明した。

近隣諸国から電力を輸入している状況だが、建物の断熱工事を促進したり、省エネ行動の推進をするなど、多角的なアプローチで、原発なしの供給体系を実践している。


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THINK WASTE 編集部

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