【夏季特別記事】包装資材における拡大生産者責任(後編)

包装資材における拡大生産者責任 後編:EPRの社会実装に向けた5つの具体的な目標

前編から、幅広い業界の大手企業や各国政府がEPR(拡大生産者責任)を起用した施策を検討し実用化に向けたコミットメントの声明を発表していることが分かった。後編では、EPR導入における具体例を紹介する。

◆EPRの社会実装・具体例
EPRは、循環型経済の規模を拡大するための幅広い政策戦略の一部である必要がある。
包装材の廃棄と汚染をなくすためには、EPRだけでなく、補完的な政策を含めた包括的な循環経済政策が必要だ。本声明で示されている5つの「Universal Circular Economy Policy Goals」は、このような政策アプローチを構築するために活用できるだろう。

Goal 1:循環型経済のためのデザインを促進する
地域間で包装材のデザイン・素材・システム(回収・再利用・リサイクルなど)を調和させるための基準を設けることや、最も問題のある包装材の一部を禁止。あるいは、包装材の種類に応じてリサイクルの目標数値設定。

Goal 2:資源の管理
全ての包装材をリサイクルするための強制的な収集(住宅、産業、商業施設、公共スペース)や、デポジット・リターン・スキーム(DRS)などの、収集率をさらに高める政策。

Goal 3:経済的支援
循環型社会やその他の環境的成果に対するインセンティブ。例えば、リサイクル素材や再利用ソリューションに対する財務上または調達上のインセンティブ、再利用やリサイクル活動、機械装置に対する減税やリベート(料金の払い戻し)など。また、非循環型の成果に対する阻害要因(埋め立て税・非循環資源の採取や使用に対する税金や補助金の削減・焼却炉のゲート料金・温室効果ガス排出量の価格設定など)の策定。

Goal 4:イノベーション、インフラ、スキルへの投資
公共調達のための明確なガイドラインの策定、新しい選別・リサイクル技術への投資に民間資金を動員するためのブレンデッド・ファイナンス・メカニズムの設立、包装材の循環経済化に焦点を当てた研究資金の提供、学校や高等教育プログラムにおける循環経済学の導入。

Goal 5:システム変革のための協働
包装材の廃棄物をなくすための国のロードマップの作成、経済全体の再利用システムの調整、100%リサイクル可能な包装材に向けた共同イノベーションアジェンダのための共通の方向性の策定など、官民を超えた協力。

◆むすび
EPRは、産業界の自主的な行動によって補完される必要がある。包装材の循環型経済を大規模に実現するためには、政策が重要な役割を果たすが、政策だけでは十分ではない。バリューチェーン全体の企業による自主的な行動とイノベーションが、引き続き重要かつ主導的な役割を果たす必要がある。これらの目標を達成するためには、まだ実行していない企業がこれに倣い、全ての企業が大胆な行動を起こし、必要な資金を投入し、社内外、国内、国際的に協力していくことが求められる。

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THINK WASTE 編集部

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