アメリカ全土でボトルデポジット制の検討進む

アメリカ西海岸選出議員らは、アメリカ全土を対象にしたプラスチック容器のデポジット制に関する法案を合衆国議会に提出する計画を進めており、支援者によれば、今回の法案は関係業界からの協力も得られているため、通過する見込みが高いという。

法案草案は、テキサスに拠点を置く環境保護団体Texans for Clean Waterの主導により作成されており、アメリカ全土におけるボトルデポジット制の確立を目指す。さらにはこの法案はリサイクル材の含有量基準も定める方針だ。Texans for Clean Waterは昨年、テキサス州内でのプラスチック容器を対象としたデポジット制の導入を推進している。

カリフォルニア州から選出されているアラン・ローウェンタール下院議員(民)とオレゴンから選出されているジェフ・マークリー上院議員(民)は、この法案を3月の中旬頃に提出する予定だ。一方、支援者たちは超党派による提出の実現に向け奔走している。法案における文言などは、現在超党派議員らの会合で議論されている段階で、今後変更される可能性がある。法案が可決されれば2023年2月1日から施行される予定だが、開始時期についても調整中だという。

Texans for Clean Waterの代表を務めるコービット氏によれば、デポジット制の導入はポイ捨てなどのごみを大幅に削減させ、同時に同地区でのリサイクル率の向上に効果があるという。また、各ブランドがリサイクル材の使用目標を定めており、リサイクル材の安定供給を行うための戦略の重要性が増しているという。今回の法案草案の策定には、グリーンピースや米スチュワードシップ評議会などの主要な環境団体が多く関わっており、これまで以上に多くの連携が取られているという。

法案の詳しい内容は以下のようになっている。
対象について
さまざまな種類の飲料容器を対象とするものの、薬、乳児用調整乳、乳児用食事代替飲料は例外となる。

リサイクル方法について
このデポジット制を用いて回収されたプラスチック容器は、マテリアルリサイクル(メカニカルリサイクル)される予定だ。一方で、対象容器の拡大に伴いリサイクル困難な容器や複層素材を用いた容器も増えることが予測されており、状況によってはケミカルリサイクルを使用する場合もあると考えられる。しかし現状では、一部の関係者から技術的な裏付けが不十分であるケミカルリサイクルをモラトリアムに含めるべきではないという意見が出ている為、ケミカルリサイクルは認められていない。焼却やその他用途への使用、埋め立てもリサイクルとは認められない。

デポジット料金について
24オンス(約6.7kg) 未満の容器に関しては10セント、それ以上の容器に関しては15セントのデポジットが予定されている。また、草案では消費者はラベルやキャップなどは取り外さなくて良いとしている。

PCR材の使用割合について
この法案では、飲料容器におけるポスト・コンシューマー樹脂(PCR材)の使用基準も定める予定となっており、さらにPCR材の供給はアメリカ国内からでなければならない。基準では、2025年までに25%、2030年までに50%、2035年までに70%、2040年までに80%を目指すとしている。

生産者責任組織(PROs)の組織について
この法案では、生産者の責任を遂行するための生産者責任組織(PROs)の組織を求めている。この組織は、消費者に対して使用済み容器の適切な管理方法を伝えると同時に、容器の回収場所やリサイクル方法に関しての情報を複数の言語で伝達することが求められる。
またPROsは、管理費、分別費、処理費、などを含む管理にかかる費用を、請け負う団体に100%支払い、また、カーブサイドリサイクル(自宅などのごみ箱を道端に置き、回収してもら方法)を行う業者に対しても、一定の費用を支払う必要がある。
また、関係する業者には年次報告書が義務付けられ、取扱量やリサイクル率、最終的に運び込まれた場所、汚染レベル、収集サービスに関連する情報などを報告する必要がある。

容器のデザイン・表示について
この法案には飲料容器に、環境と健康への影響を最小限に抑えるデザインを取り入れ、そのリサイクル性について明確で誠実なラベル表示をしなければならないという条項も含まれている。制定から2年後、この法案は各カテゴリーの容器ラベルの統一化も視野に入れている。


【引用元】
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THINK WASTE 編集部

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