焼却炉にもIoTの波 効率化で行政課題解決なるか

FEエンジニアリングは7月18日、ごみ焼却炉の完全自動運転に、国内で初めて成功したと発表した。

廃棄物処理施設では主要な設備である焼却炉を安定的に運転するために、自動燃焼制御装置を用いている。しかし焼却炉に投入されるごみは大きさや形状、材質が一様でなく、それぞれ燃焼状態も異なる。そのため制御装置による管理に加えて、運転員による監視・介入が必要となる。

JFEエンジニアリングではこれまで、制御装置の高度化と運転員による介入を削減することに取り組み、新たなシステムを開発した。同社はこのシステムを用いて昨年10月から焼却炉の実証運転を行い、2週間連続して介入なしで焼却炉を安定的に運転することに成功した。

燃焼がさらに安定化することで、発電量も増大
自動運転に成功した期間中は従来以上に安定した燃焼が確認でき、ボイラーから発生する蒸気量も安定性が高くなった。これによって、ごみ焼却発電における発電量の増加も期待できる。

川崎重工業は、人工知能(AI)を活用したゴミ処理発電プラント向け運転支援システムに取り組んでいる。水分量など性状が日々変わるゴミを焼却するため、ゴミ処理プラントではベテラン作業員が運転状況を24時間体制で監視して運転を行っているのが実情。このベテラン作業員が高齢化の影響で不足しており、川重はベテランの作業をAIに繰り返し学習させ、最適操作情報を作業員に教えるレコメンドシステムを開発した。

レコメンドシステムにより、初心者もベテランでも同じ情報を流して、経験値に依存しない運転支援を実現できる。今後、神戸工場(神戸市中央区)に5億円を投資してAI技術を導入。三重県松阪市のクリーンセンターなど遠距離施設を神戸工場からAIで遠隔監視して、自動学習する機能を開発する。2020年秋以降に自律型自動燃焼制御システムを目指す計画だ。

ゴミピット運用自動化と自動燃焼制御システムは、すでに開発済み。ゴミや運転ノウハウといった目に見えないものをAIやICT技術により“見える化”し、ゴミ処理施設の運営作業と費用負担の最小化を図り、地方自治体に差別化手段として売り込む。地方自治体のほとんどは財政赤字や作業員不足に悩んでおり、省力化利点をアピールする。

ゴミの撹拌・混合から炉内への投入。燃焼画像を見つつ、ゴミ投入量や主蒸気流量、燃焼温度、酸素の濃度などの運転データをもとに燃焼状態を予測。吸じん操作や空気量操作、ストーカー操作の段階ごとに、グラデーションで最適操作方法を表示する。焼却施設は安定操業により、稼働率を向上できる。

操作情報をテキスト化することで、作業員技能の底上げや訓練にも活用できる。川重の試算では、安定燃焼と売電収入増加などにより約5.8%の運営コスト改善効果が得られるという。

※写真はイメージ

【引用サイト】
ごみ焼却の完全自動化で、発電量増大に期待
IoT先進事例(3)川崎重工業 ゴミ処理施設、AIで効率運転


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THINK WASTE 編集部

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