バイオマス産業都市、新たに6地域が認定

平成25年度から関係7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が共同で推進しているバイオマス産業都市に、新たに6地域が認定された。

選定地域のバイオマス産業都市構想

biomass

バイオマス産業都市とは、地域のバイオマスの原料生産から収集・運搬、製造・利用までの経済性が確保された一貫システムを構築し、地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型のエネルギーの強化により、地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりをめざす地域。これまで既に16地域が認定されているが、この11月、さらに6地域が認定され、合計22地域となった。

今回、新たに認定されたのは、富山県射水市、兵庫県洲本市、島根県隠岐の島町、福岡県みやま市、佐賀県佐賀市、大分県佐伯市。

富山県射水市では、平成20年6月に地域住民、関係団体、地域産業、学識経験者等で構成された「射水市バイオマスタウン構想策定委員会」を設置し、バイオマスタウン構想書を策定。地域産業の技術や資本、富山県立大学、近畿大学、富山大学など大学・研究機関の技術や研究、資源の分別回収など市民の協力、産・官・学・民の協働・連携により地域バイオマスの利活用に取り組んでいる。廃棄物系バイオマスについては、現時点で90%近い利活用が行われており、今後、利活用されていないバイオマスの利活用を進め、現在利活用されているバイオマスについてもより有効なマテリアル・エネルギーへの変換・利用を推進する。未利用バイオマスについては、40%以上の利活用を目指す。

兵庫県洲本市では、あわじ環境未来島構想がめざす「暮らし・エネルギー・農と食の持続」に向けた取り組みと連携しながら、市民の積極的な参加を促しつつ、バイオマス資源の有効利用による地域活性化と安心して暮らせるまちづくりをめざす。洲本市は平成13年から「菜の花・ひまわりエコプロジェクト」などバイオマス燃料の活用を推進してきた。同市内では、家畜ふん尿など年間約20万トンのバイオマス資源が発生しているが、現在56%しか利用されていない。食品廃棄物、廃タマネギ、可燃ごみ、製材所廃材、稲わらや竹などの活用も進め、10年後に全体の利用率を80%まで引き上げることを目標としている。

島根県隠岐の島町では、島の未利用資源(間伐材、林地残材、生ごみ)などを地域資源と捉えて4つのエコプロジェクトの事業化をめざす。環境産業を促進することで、第一次・第二次産業の基盤整備をし、新たな雇用の場と定住環境を確保し、里山・里海環境、資源を再生する。それらを活用したエコツアーなどの体験交流を促進することで、都市部からの交流人口の拡大をめざしている。

福岡県みやま市では、「生ごみ・食品廃棄物・し尿・浄化槽汚泥などのメタン発酵発電、液肥化」を軸として、地域産業、雇用創出、農水産物の地産地消、再生可能エネルギーの活用、環境循環型社会、災害に強いまちづくりの構築をめざす。紙おむつの水溶化処理による再資源化や、低品質海苔の堆肥化など、独自の取り組みを進める。

佐賀県佐賀市では、下水道汚泥を肥料や発電、処理水の農業や海苔養殖への活用、清掃工場のごみ焼却による余熱や発電など活用した取り組みを進めてきた。平成25年10月には佐賀市清掃工場のごみ焼却時に出る排ガスからCO2を取り出すCO2分離回収装置を設置。分離回収したCO2をビニールハウスなどで栽培される農作物に与え、光合成を促進させる高付加価値型農業を推進。藻類の大量培養にも利用し、食品や化粧品の原料としての事業化やジェット燃料の生産に結び付ける研究にも着手している。清掃工場から直接CO2を取り出し活用する試みは、日本だけではなく世界でも例のない取り組みだ。

海と山、豊かな自然に囲まれた大分県佐伯市では、廃棄物系バイオマスの利用活用のほか、喫緊の課題である林業系の未利用バイオマスの利活用促進に努めている。家畜排泄物生ごみ、し尿汚泥などの堆肥化、食品廃棄物などをメタン発酵することによるバイオガス、液肥の製造、家庭系廃食用油のバイオディーゼル燃料化などにより、廃棄物系バイオマスの90%以上の利活用が目標。また、林地残材を積極的に収集し、エネルギー化することで未利用バイオマスの40%以上の利活用をめざす。

これらバイオマス産業都市として選定された地域へは、関係7府省が連携して事業化プロジェクト実現への支援を行う。
例年に比べ少ない認定数となったが、2次募集の有無については現状では明確になっていない。


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THINK WASTE 編集部

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