日本政府、廃プラ利用に向け新戦略を立案

政府は廃プラスチックの利用や素材開発に向けて新たな戦略を作ることを発表した。22日の有識者会議で「マテリアル革新力強化戦略案」としてまとめ、3月に開催予定の統合イノベーション戦略推進会議で正式に決定する。国際的に遅れている脱炭素や資源確保、経済安全保障の観点から具体策を提示していく。主要な戦略としては下記5点を挙げている。

■有効利用を80%→100%へ
 今回政府は使用済みプラスチックの再利用を現状の80%程度から2035年までに100%へ引き上げる目標を掲げた。日本は2019年におよそ850万トンの廃プラスチックを排出したが、このうちマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルしたのは3割に満たない。火力発電へ活用した「エネルギー回収」を含めると利用率は85%となるが、火力発電への利用は環境負荷が非常に高く、今後はマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの比率を高め火力発電に回す割合をできるだけ減らしていく考えだ。

■リサイクル前提とした素材開発
 新戦略では企業にリサイクルを前提とした製品設計を求める方針だ。石油などの代わりにCO2を使うプラスチック製品や、木材由来のセルロースなのファイバーの活用を見込んでいる。同時に、メーカーや販売業者が廃プラスチックを自主的に回収・リサイクルする仕組みも検討する。花王とライオンは20年9月に洗剤などの使用済み容器を回収し同じ容器に戻すリサイクル技術を共同開発すると発表している。

■技術開発
素材分野の開発データは産学官で共有し、企業や研究機関が電子顕微鏡や計測ききなどの先端技術を利用できる拠点を25年度までに6箇所整備する予定だ。

■バイオマスプラスチックへの代替
また、サトウキビなどを原料とするバイオマス(生物資源)プラスチックへの代替も進めていく。18年時点で7万トン程度の使用量を、30年までに200万トンに増やす考えだ。

■資源調達の依存度
さらに、経済安全保障の観点から、ハイテク製品の生産に欠かせないレアアースなどの特定国への資源調達の依存度を下げる。中国は特殊鋼の製造に必要な「タングステン」の90%、リチウムイオン電池に使う「蛍石」の60%以上をそれぞれ生産する。日本のレアアースの輸入のうち、60%近くは中国からだ。今後はオーストラリアやインドからの輸入を増やし、安定確保に向けて採掘などの権益を獲得していく。


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THINK WASTE 編集部

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