伊藤忠商事は今春、ごみ削減の先進的な取り組みを進めるスタートアップ、米テラサイクルと組み、海洋プラスチックごみの再利用に取り組む。中韓などから年200トンが漂着する長崎県の対馬で回収したごみを分別、破砕した上で通常の樹脂に5%以上混ぜた容器を製造する。海洋プラごみを再利用したことを明記し、コストが上昇した分を価格転嫁する。大手日用品メーカーが容器として採用する見通しで、軌道に乗れば地域を広げる。

伊藤忠はある程度選別し、洗浄したボトル、容器などポリエチレン(PE)とポリエチレンテレフタレート(PET)のごみを市から有償で買い取る。それを対馬市内に建設する工場でペレット状に破砕し、福岡県などの協力企業でさらに細かく樹脂の種類を分ける。

その後、通常の樹脂に5%以上混ぜる。伊藤忠が帝人などとの共同出資会社で混合プラスチックを開発するマーベリックパートナーズ(東京・中央)などが候補となっている。強度や色合いなどを検証し、配合割合を変え、最適な再利用容器が作れるようにする。最終的な容器の製造は伊藤忠とテラサイクルが担当する。容器にせず、原料として売る場合もある。

コストは当然高くなるので、価格転嫁する。例えば一般的なシャンプーのボトルの場合、数%高くなる。容器には海洋プラごみを使っていることの説明を書き、ブランド名も「ビーチレン(ビーチとポリエチレンを組み合わせた造語)」とし、意識の高い消費者にアピールする。

シャンプーボトル換算で800万本分に相当する4000トンを販売し、年商は80億円を見込む。日用品メーカーのほか飲料や玩具、スポーツ用品メーカーなどにも水面下で営業をかけている。

米非政府組織(NGO)によると、海洋プラごみは既に1億5000万トンが存在し、年間800万トン増えているとも言われる。今回の実験は小さな一歩にすぎないが、国内外で応用できる。顧客の心理も変わりつつあり、「『再生品の容器は作ってないのか』と顧客から聞かれることが多くなった」(伊藤忠商事の石井敬太エネルギー・化学品カンパニープレジデント)。

伊藤忠はプラスチック卸業界で販売量で世界2位。販売網も世界各地にあり、今回の実験で得たプラごみ再利用のノウハウが応用できるとみている。

【引用サイト】
伊藤忠が米新興と本気で取り組む海洋プラごみ再利用


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THINK WASTE 編集部

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