
レゴ、再生プラスチックボトルからのブロック製造計画断念

デンマークの大手玩具メーカー、レゴは、環境に優しい再生プラスチックの取り組みに関して、石油ベースのプラスチックから再生ドリンクボトルを使用する計画を断念したことを発表しました。この決定の背後には、新しい材料によって従来の石油ベースのブロックよりも炭素排出量が高くなるという課題があるとされています。

画像:レゴのブロックの約80%は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)と呼ばれる素材を使用しており、これを製造するために1kgのプラスチックを作るのに2kgの石油が必要です。 撮影者 フィリップ・ウォジャゼ(元記事から引用)
この動きは、気候危機が進行するなかで、世界最大のおもちゃメーカーが、自社の排出に対する貢献を見直す企業の一環として、より持続可能な素材を研究し始めたことを反映しています。
レゴは年間数十億個ものレゴブロックを生産しており、2021年には再生ポリエチレンテレフタレート(PET)からアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)への切り替えを検討し始めました。ABSはレゴブロックの約80%に使用されていますが、再生PETはそれに比べて柔らかく、耐久性を確保するために追加の成分と、加工および乾燥に多くのエネルギーが必要であるという問題がありました。
再生PETの使用を拡大するためには、工場内の全体的な変更が必要であり、それに伴う製造環境への影響が大きかったため、最終的には炭素排出量が増加する可能性があるという結論に至り、このような結果となりました。
レゴは2021年に150人以上の持続可能性に取り組む専門家を採用しましたが、レゴの最高経営責任者であるニールス・クリスチャンセン氏は、何百もの材料を試しても、持続可能性の課題を解決するための魔法の素材を見つけることはできなかったと語りました。
代わりに、レゴはABSの各部分をより持続可能な素材に置き換えることを目指し、バイオベースの素材や再生素材を積極的に採用する予定です。クリスチャンセン氏は、2025年までに年間30億ドル(約2,450億円)を持続可能性への支出に割り当て、同時にこれらの費用を消費者に負担はさせないと生産者責任をコミットしています。